今話題の「イラクへの自衛隊派兵」について、キーワードにされるのは「平和」という言葉である。文字数にするとたった二文字のこの単語にだってさえ、さまざまな視点からの意見がぶつかり合い白熱している。以下はこの話題について、論点が違うことにより食い違う意見の例。
- 世界の平和のためなら、日本の平和が多少揺らぐくらいの犠牲はやむを得ない
- 国際社会の枠組みで一定の立場を保つため、アメリカとは平和な関係を保ちたい
- 自国の平和は、他国の平和より優先されるべきだ
- 家族の命を危険にさらしてまでするべき事なんて無い
これらはそもそも論点が違う意見なわけで、同列に並べて調整を図ろうとしたところで不毛な作業になるのは明らかだ。リーダーである小泉首相が熟考した結果が「派兵の実行」ならば、その実現に向けて進めば良い。その選択が正しかったかどうかは、例えば1/5/10年後のどの時点で評価するか等のあいまいな基準によって、いとも簡単に変わる話なのである。